
注記
本ドキュメントは、新規職員向けに行われたオリエンテーションの一部を文字起こししたものです。
本文
████:
それでは、ここ「非重要アノマリー保管室」についてのせつめいをはじめます。
これまでのオリエンテーションで、アノマリーの危険性についていやというほどせつめいをうけたかとおもいますが。
ここにあるのは、ほとんど影響力がないアノマリーですゆえ、肩のちからをぬいてもかまいません。
新規職員:
……あの、すみません。
それよりも――私がまだ正気だとすれば、█████が喋っているように見えるのですが……。
████:
はい。
モノがしゃべることは、ここではとくにめずらしくありませんので。
はやくなれてください。
新規職員:
……。
████:
せつめいをつづけます。
“機関”ではアノマリーの重要性や危険性によって「セキュリティレベル」をせっていしています。
ここでは「Lv.1」、つまり重要でも危険でもないアノマリーを保管しています。
新規職員:
重要でも危険でもないのに、保管する必要があるのですか?
████:
はい。それがどんなものであれ、アノマリーは「存在しないもの」として秘匿する必要があります。
それが「社会の正常性を保つ」ということですゆえ。
新規職員:
なるほど……。
「Lv.1」のアノマリーには、例えばどういうものがあるのでしょうか。
████:
それは、いまからお見せします。
(以後の内容は添付のレポートを参照)
O-1873:空砲ピストル

概要
【O-1873】は、製造者不明のリボルバー式拳銃です。装弾数は6発で、.357マグナム弾を装填できます。
【O-1873】に装填された弾薬は、それが実弾であっても空砲となり、 火薬による発砲音は発生しますが、弾丸は消失します。
セキュリティレベル | Lv.1(非重要) |
|---|---|
理由 | 危険性も有用性もなく、実世界への影響力が皆無であるため。 |
実験記録
実験記録1:
射撃訓練場にて、コンクリート製壁面に対して発射。
結果:発砲音のみが発生。壁に損傷なし。
実験記録2:
収容室の強化ガラス製壁面に対して発射。
結果:発砲音のみが発生。ガラスに損傷なし。
実験記録3:
収容エリアの廊下にて、職員が収容室の扉に対して発射。
結果:発砲音のみが発生。扉に損傷なし。
補遺
補遺1:
実験記録3に記録された実験は、無許可かつ突発的に行われたものであり、 実行した職員は降格処分となりました。
補遺2:
発射前後で銃身を比較調査したところ、弾丸によるものと考えられる摩耗が観測されました。
したがって、弾丸は銃身を通過後に消失しているものと考えられます。
